その情熱的で躍動感あふれる棒さばきは、亡くなる直前までいささかも衰えることはなかった。
作曲家としても成功を収めた彼は、カラヤン同様さまざまなジャンルに数多くの録音を残している。
シューベルトはその短い生涯のなかで、名作と呼ばれる歌曲を量産する一方で、形式に依存する交響曲やピアノソナタの分野では決して第一人者とはいえない存在であった。
しかし、ここに収録されている『未完成』交響曲は、モーツァルトのレクイエムと並んで、最も演奏機会の多い未完成ものとして、そのロマンティックな旋律が印象深い。
また『ザ・グレート』も長大でありながら様式美と旋律の美しさが調和した名曲であり、その両曲を晩年のバーンスタインが、広がりのあるゆったりとした歩みで聴かせてくれる「大人」の1枚である。
コンセントヘボウとバーンスタインの組み合わせは名演奏が多い。
この演奏もその中のひとつ。
未完成第一楽章の展開部は大迫力で実にかっこいい。
グレイトの演奏も3楽章、4楽章が絶品。
演出過多と感じる人もいるかもしれないが、この曲はそれぐらい濃厚に演奏して欲しいと思う。お勧めです。
●シューベルト:交響曲第8番「未完成」|交響曲第9番「ザ・グレート」

●シューベルト:交響曲8&9番
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ラベル:未完成