収録曲
1. 交響曲第40番ト短調K.550
2. 交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
3. フリーメイソンのための葬送音楽ハ短調K.477(479a)
「死とは何か?」
「それは、モーツァルトを聴けなくなることだ。」(アインシュタイン)
本アルバムの交響曲はベーム晩年の録音で、それぞれ最後の録音となったもの。
何ものにも囚われない孤高の境地が広がっている、同様に「フリーメイソン」も晩年の録音で、ここでも自然体で至福に満ちた演奏がある。
天使のメロディーが冒頭から流れる交響曲第40番。
モーツァルトの41曲ある交響曲の中で短調で書かれたのはわずか2曲。
そのうちの1曲が第40番だ。
第1楽章のすすり泣くような(ため息音型の)ヴァイオリンのメロディは、聴く人の胸を打たずに入られない。
モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」は古典形式の総決算ともいえる傑作である。
「ジュピター」という名称をつけたのはハイドンの交響曲でも知られている、J.P.ザロモンと言われるが、「ジュピター」とはギリシャ神話における最高神のことで、その力強さ、壮麗さ、端正な形式感からこの曲のまったく適切な形容といえる。
べームのこの曲に対する敬意は尋常なものではなく、一生をかけて取り組んできたべームの最も愛する作品であると言えるだろう。
ベルリン・フィルとの全集録音でのこの曲の演奏は世評も高く、力強さ、推進力があり、生命力溢れる、「ジュピター」の名に相応しい演奏であるといえるが、ここに収められている演奏は晩年のウィーン・フィルとのもので、さすがに力強さ、推進力には欠けるが、その分おおらかで、澄み切った境地に達している。
べームの総決算ともいえる演奏で、リヒャルト・シュトラウスが若い頃に述べた「ジュピター交響曲は私の聞いたことのある音楽中最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天にあるかの思いがした。」という賛辞を思い出さずにはいられない包容力と羽を持った魂のような自由さに満ちた演奏である。
他のクラシックは聴かなくてもいいから、この2曲だけは聴いてみておくれ、と言いたくなるのでした(特にベーム=ウィーンフィルのこのアルバム)。
●モーツァルト:交響曲第40番・第41番「ジュピター」 他

●モーツァルト交響曲第40番&第41番
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