2007年07月26日

アジアの片隅で、いつも見ていたヒロシマ

夏になると聴く曲はサザンだけではない。

僕にとっての夏は吉田拓郎の「アジアの片隅で」でもある。

このアルバムは一時、軟弱路線に走っていた拓郎が、また70年代のように硬派に戻った記念すべきアルバムである。

特にこのアルバムの最初の4曲が絶妙な配列をなしていて、まるでこの4曲で一つの交響曲を構成しているようだ。


その4曲とは次のこと。

●まるで孤児のように - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎

●いつも見ていたヒロシマ - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎

●古いメロディー - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎

●アジアの片隅で - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎



ご覧のように、拓郎の名曲と言えば、欠かせないのが作詞家の岡本おさみだ。

レコード大賞をとった「襟裳岬」の作詞家であり、「落陽」の作詞家でもある。

岡本おさみはまるで拓郎のように、いや、拓郎以上に拓郎らしい詩を書くことで知られている。


たとえば・・・・

「襟裳岬」の「日々の暮しは いやでもやってくるけど静かに笑ってしまおう。」

「洛陽」の「この国ときたら賭けるものなどないさ、だからこうして漂うだけ。」

・・・・など等。



そして僕が毎年、8月が近づいてくると聴きだすのが、このアルバムに入っている「いつも見ていたヒロシマ」だ。

拓郎ファンなら知っていることだが、拓郎はプロにデビューする前、広島で「広島フォーク村」というサークルを活動の拠点にしていた。

だから、拓郎にとって「ヒロシマ」は特別な場所である。

そして、日本の8月にとっても「ヒロシマ」は特別な場所だ。(特に「広島」ではなく「ヒロシマ」として。)



『いつも見ていたヒロシマ - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎」』

八月の光がオレを照らし コンクリートジャングル 焼けつく暑さが
 
オレの心をいらつかせる いやせない みたせない なぐさめもない
 
深い祈りと 深い悲しみ 渇いた心をかかえて 
 
オレはどこへ行こう 君はどこへ行く
 

時はおし流す 幾千の悲しみを 時は苦しめる 幾千の思い出を
 
焼けつきた都市から 確かな愛が聞こえる
 
子供らに オレ達が与えるものはあるか 安らかに笑う家はいつまであるか
 
いつもいつも遠くから遠くから 見ていたヒロシマ
 



僕が特に好きなフレーズは「焼けつきた都市から 確かな愛が聞こえる」だ。


そして、大曲の『アジアの片隅で』



『アジアの片隅で - 作詞:岡本 おさみ/作曲:吉田 拓郎』


ひと晩たてば 政治家の首がすげかわり

子分共は慌てふためくだろう

闇で動いた金を 新聞は書きたてるだろう


ひと晩たてば 国境を戦火が燃えつくし

子供達を飢えが襲うだろう

むき出しのあばら骨は 戦争を憎みつづけるだろう



アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
  
アジアの片隅で このままずっと
   
生きていくのかと思うのだが





ひと晩たてば 街並みは汚れ続けるだろう

車は人を轢き続けるだろう

退屈な仕事は 野性の魂を老けさせるだろう


ひと晩たてば チャンピオンはリングに転がり

セールスマンは道路に坐りこむだろう

年寄りと放浪者は 乾杯の朝を迎えないだろう


アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
  
アジアの片隅で このままずっと
   
生きていくのかと思うのだが





ひと晩たてば 秘密の恋があばかれて

女たちは噂の鳥を放つだろう

古いアパートの部屋で 幸せな恋も実るだろう


ひと晩たてば 頭に彫った誓いがくずれ落ちて

暮らしの荒野が待ち受けるだろう

甘ったれた子供達は 権利ばかり主張するだろう


アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
  
アジアの片隅で このままずっと
   
生きていくのかと思うのだが





ひと晩たてば 働いて 働きづくめの男が

借りた金にほろぼされるだろう

それでも男は 政治などをあてにしないだろう


ひと晩たてば 女まがいの唄が あふれだして

やさしさがたたき売られる事だろう

悩む者と飢えた者は 両手で耳をふさぐだろう


アジアの片隅で お前もおれも このままずっと

アジアの片隅で このままずっと生きていくのかと

アジアの片隅で

アジアの片隅で

アジアの片隅で……



僕が特に好きなフレーズは「退屈な仕事は 野性の魂を老けさせるだろう」だ。


こうして、今夜も僕はアジアの片隅で、遠くからヒロシマを考えている。

そして、暑い夏を生き残れたら、またひとつ年齢を重ねることになる。

吉田拓郎も岡本おさみも、僕もあなたも。



アジアの片隅で/吉田拓郎





アジアの片隅で/吉田拓郎








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