チェット・ベイカーはウエストコースト・ジャズの代表的トランペット奏者であり、ヴォーカリストでもある。
またその中性的なヴォーカルも人気があり、1954年にレコーディングされた『Chet Baker Sings』の
「My Funny Valentine」はチェットの代表曲の1つであり、同楽曲の代表的カヴァーの1つでもある。
このチェットの歌い方にジョアン・ジルベルトがインスパイアされ、ボサノヴァ誕生の一因となったと言われている。
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https://www.youtube.com/watch?v=jvXywhJpOKs
素敵な音楽に男性も女性もない。
チェット・ベイカーの代表作として多くの人が真っ先にあげるのが本作。
トランペッターだったチェットが歌うようになったのは50年代はじめのこと。
そして歌手としての名声を確立したのが本作だった。
曲はおなじみのスタンダードばかり。
しかしチェットが歌うと、そこに独特の世界が広がり、聴く者はついついその世界に引き込まれてしまう。
そういう意味では、チェットの歌と演奏には麻薬的な魅力が潜んでいる。
ジャズ・ヴォーカルにありがちな大胆なフェイクは行なわず、メロディをストレートに
歌い上げるスタイルはいたってシンプル、それでいて味わい深い。
まるで耳元で囁くようなソフトな感触の歌声はチェットの専売特許といっていい。
いまでは笑い話だが、当時チェットの歌を聴いた人は、女性が歌っていると誤解したりしたものだ。
中性的と形容されるアンニュイな歌声、その歌声とリリカルなトランペットのハーモニーが絶妙だ。
チェット・ベイカーを聴くなら、なにはさておき本作から。
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